わたしたちは陸上のあらゆる地点の高さを示すとき、「標高」や「海抜」という数値を用いる。 海をゼロメートルとみなして、そこからの高さを言うのだ。
けれどよく考えてみれば、海はいつも揺らいでいる。 そのうえ、 橋本治氏は思いのままに文体を操る。 24色のクレヨンのようだ。 どんな時代のどんな人生でも描けてしまう。 創作がとても職人的な仕事なのだ。 人間という生き物に洞察と哀惜と諦念の混じった眼差(まなざ)しを注ぐ。 ◆読書日記 大学院時代の恩師で、ピエール・ブルデューの翻訳で知られる加藤晴久先生が長年さまざまなメディアに寄稿したテクストを二巻にまとめた『加藤晴久文集Ⅰ
文学・思想篇』『加藤晴久文集Ⅱ 語学教育篇